大豆の収入を知りたいんだけど、そんなに儲かるの?
農家の規模も大きくなってきているから、省力化作物の大豆の純利益を知りたいんだよね。
どうも、北海道で農業を経営しております、モサチキンと申します。
大豆って一般消費の部分でも結構注目されていたりしますよね。
大豆ミートという肉の代用品としても需要が高まっている話も聞こえてきますし。
しかし、大豆は交付金対象の品目ですので、なにやら複雑ですよね。
そこで今回は農業歴12年目の僕が大豆の純利益を計算してみました。
大豆を輪作の一角として取り入れる予定の方は参考にしてみて下さい。
大豆作付けの結論:輪作にオススメしたい
僕の大豆に対する結論はこの点です。
純利益の発表の前にこの点だけお話させてください。
大豆には根粒菌という土壌菌が根に付着しています。
この菌は良質な肥料のようなもの。
秋まき小麦の播種技術で大豆の間作という小麦を収穫前の大豆畑に種子をばら撒く技術があります。
実際地力のある畑、泥炭畑では大豆収穫前に小麦を撒いたら肥料無しで越冬可能。
窒素不足の状態もなく、非常におすすめです。
根粒菌が天然の肥料となり、少しでも化学肥料を使わない点でもメリットです。
僕の場合は大豆の後作に馬鈴薯、長いもを作付けすることが多いです。
理由は歩留まりが上がり品質が向上したためです。
農業は輪作が大事ということを思い知らされます。
こういった観点で見ると単純な利益だけでは計れません。
他のメリットとしては、機械に任せられる部分が多いのも良い部分です。
収穫作業は10haでも大型コンバインなら約8時間で終了します。
以上の観点から輪作に導入をおすすめしたいです。
大豆で使う機械、セッティングをざっくり纏めました↓
大豆を作付けするのに結構色々必要なのね…
そうですね。
しかし、中古で揃えることも可能ですよ。最近は離農している農家さんも多いので、古い機械でも可能な場合も多いです。
小さく始める事もできますのでオススメです。
どんな機械を揃えてやっているのかイメージして頂く為に今回記入致しました。
では、上記の機械や施設を使ってどのような仕組みで反収いくらになるのか、一つ一つ可能な限り分析していきます。
純利益
純利益【反収約4.8万円】になります。
今回の計算は減価償却費は入れておりません。
では、まずは経費計算からいってみましょう。
経費計算
事業を行なっていると色々経費はかかるものですが、内訳をしっかり明確にしていきましょう。
大きい経費から順番にいきます。
ここでは基本的に反当の経費で消費税込みで計算しています。
皆さんは自分の耕作面積と照らし合わせて計算してみて下さい。
肥料・土壌改良材・農薬代
全て反当の計算です。
基肥で4,303円、土壌改良剤(ライムケーキ)で666円、農薬は3,159円
合計反当8,128円です。
ライムケーキ散布については機械の紹介も兼ねてこちらの記事で纏めております。
よろしければ参考にどうぞ↓
大豆収穫料
外部委託で8,250円です。
4.16haなら単純に34万円かかります。
しかし、作業自体は大型コンバインの為、10haでも1日で終わってしまいます。
この点は現在委託しておりますが、来年度は投資して自分で収穫する予定でございます。
調整加工料
反当3,762円です。
この部分は業者に出荷すると必ずかかってくる経費です。
調整加工料が1俵当たり660円です。
種子代金
反当約4,400円です。(播種量7.5kgで計算)
4.16haで約18万円かかりました。
共済掛金
反当約1,957円です。
大豆を撒きつけした際に加入する共済保険料です。
自然災害等で収量が著しく低下した場合に有効です。
災害は起こるものですので、入っておいて損はないかと思います。
トラックの車検、その他でも使っている経費は計算しておりません。
草取り等人件費についても家族手間の為、経費に算入しておりません。
参考までに明確にできるところは全てしました。
4.16haで合計は1,114,075円でした。
小麦程じゃないけど、大豆って品代安いんでしょ?
こんなに経費かかったらあんた生活大丈夫?
品代だけでは生活できないので交付金という形で国に支援して頂き、生計を立てております。
でもこうやってしっかり計算してみたら…
やっぱりけっこうかかるものですね。
売り上げを伸ばす為に経費削減に取り組んでいきたいものです。
やはり収入アップは経費削減が1番楽で手っ取り早いですからね。
収入計算
いよいよ売り上げです。
単純な売り上げで計算します。
こちらは項目が非常に少ないので、計算はしやすいです。
もし収穫後でしたら、皆様はご自身の反当収量を照らし合わせてみて下さい。
品代
1俵で約3,713円です。この価格は輸入している小麦の兼ね合いがあり、この価格になっております。
反当21,168円でした
単純に品物に対して支払われる料金です。
単価は年によって変わります。
交付金収入
2020年産の大豆は全量3等ランクです。【1俵あたり約9,460円】
反当は53,922円でした。
上記の品代のみだと、経費倒れしてしまう農家が続出してしまいます。
そのため、国が出荷数量や品質に応じて農家の保護対策を行なっております。
それが交付金です。
大豆の収入として品代と合わせて計算します。
4.16ha合計の売り上げは3,123,744円でした。
まとめ
いかがでしたか?
収穫作業の委託分が無ければ…
この部分を省けば反収5万円台も可能かと思います。
大豆のメリットは時間効率と地力改善、そして後作の歩留まりアップが期待されます。
そして初期投資額が少ないので、非常に始めやすいのもメリットですね。
皆さんも大豆を取り入れてみてはいかがでしょうか?
今回は大豆の計算をしてみましたが、小麦の純利益も計算した記事もございます。
よろしければ参考にどうぞ↓