緑肥を撒いて畑に地力をつけたいんだけど、おすすめの撒き方とかあったら教えてほしいなぁ。
緑肥のおすすめの撒き方ですね!?かしこまりました。
今回は現役農家の僕が小麦収穫後にそのまま8〜9月に撒いた緑肥(えん麦)の撒き方を紹介したいと思います。
小麦後に撒くやり方で色々な方法を試した結果を4パターンお伝えしますので、可能な方法でお試し下さい。
そもそも緑肥を撒くことで得られる効果とは?
緑肥は色々な種類がありますが、今回はえん麦の撒き方の紹介ですので、えん麦の効果を紹介します。
根菜類のキタネグサレセンチュウを抑える効果がある緑肥作物です。
僕の作付けでは小麦後に根菜類を100%撒きますので、えん麦を選択します。
作付けに合わせて緑肥を選択することをおすすめします。
肥料は必要と言われている窒素4kgを基準に硫安という肥料を20kgブロードキャスターで散布しています。
作業機毎に肥料散布の時間は入れないで、散布するのに5haあたりの必要な作業時間も合わせてお伝えします。
それでは、どんな機械の組み合わせで畑づくりをして発芽させているか発表していきましょう。
ドリルとパワーハローのコンビネーション
この方法が1番キレイに発芽します。上の写真は小麦まきの時に撮ったものです。
さすがドリル、種子の深さが均等に揃いますので、発芽が揃います。
播種量もキレイに生えてきますので、15kgで十分です。
ドリルは硬い土によく刺さり、深さが揃いますので小麦を収穫した後にそのまま撒けるのもオススメポイントです。
そして、種子も800kg入りますので、一回で530a散布可能ですので、一回満タンに入れればかなり撒けますのでオススメです。
デメリットとしてはコンビネーションドリルの服土するタインに小麦の殻がひっかかりやすいことです。
この問題は小麦収穫を低くして刈り取りすることでこの問題は解消されます。
もしくは小麦収穫後にチョッパーを使って麦稈をすき込んでから行うことをオススメいたします。
所要時間は5haあたり2時間半です。
作業速度が8.5km/hで作業幅が3mになります。
この時間だけで撒いて整地までこなすのでウチにある作業機の中で1番早く作業をこなせます。
ブロードキャスターで散布後、ディスクハロー
播種量は20kg蒔いています。
所要時間としてはブロードキャスターで散布するのに0.5時間、ディスクハローの作業時間に2.5時間の合計3時間かかります。
ディスクハローは12km/hの速度でこなしており、整地作業の中で1番最速の機械となります。
しかし、3mの機械でも掛け合わせがキレイにかからないので、実質2.7mずつ狭めてしか作業できません。
そのため、コンビネーションドリルよりやはり時間はかかってしまいます。
ブロードキャスターでの散布は散布幅を片側10mずつ飛ばして誤差3cmのセクションコントロールとオートステアリングで蒔いていますのでかなり正確です。
ブロードキャスターについてはこちらの記事に紹介したVICONの機械を使っています。参考にどうぞ↓
デメリットとしてはこちらも小麦の収穫を高く刈り取りしてしまうと、引っかかることが多々ありますが、そこが解消できればオススメですね。
あと、ディスクハローは作業速度が速すぎるので、キャブサスが付いたトラクターでないと、乗り心地が悪く乗り物酔いの強い方にはオススメできません。
ブロードキャスターで散布後、5mのパワーハロー仕上げ
ブロードキャスターで散布後に5mのパワーハローで仕上げます。
こちらのメリットは速度がゆっくり(5〜6km/h)なので乗り心地がいいことです。
作業していて1番楽な方法です。
デメリットはパワーハローの特性上、タインの間に種が集まりやすく、均等になりにくいことです。
パワーハローは上から押さえて土を平らにするイメージですので、この点は仕方ないですね。
時間的には5haあたり種子散布時間に0.5時間、整地に2.5時間と合計3時間で済みます。
ブロードキャスターで散布後ロータリー仕上げ
最近は取り組んでいないですが、小麦稈を土に1番キレイに混播できる方法がこちらになりますね。
麦稈は分解が遅いので、土にしっかり入れたい農家さんが多くこちらの方法が1番一般的かと思います。
僕の地域では1番多い方法ですね。
作業幅は3.5mですが、作業速度は3〜4km/h程しか出せないので、1番時間がかかります。
しかし、ここを丁寧にすることで麦稈が表に無い分、緑肥をすき込む(耕起作業)時に1番プラウに引っかかりにくいです。
時間的には5haあたり種子散布時間に0.5時間、整地に4時間と合計4.5時間かかります。
デメリットとしてはこの部分で1番時間がかかりますね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は以下の4点の方法を皆さんにお伝えしました。
僕が紹介した方法なら発芽しないことはありませんでした。
色々やってみて皆さんにお伝えしたい点は
【やりやすい方法で撒けばいい】
この点に尽きます。
実際どんな方法でもエンバクは発芽しやすいので大きな問題はないですよ。
ただ、緑肥自体はすき込む時は引っかかることが多いです。
可能でしたら、チョッパーでキレイにすき込むのは1番分解が早いように感じます。
細かく粉砕しますので、プラウ作業時に引っかからないのでオススメです。
ただ、すき込み作業については僕の考えですが、そのままプラウで起こしても分解速度はあまり変わらないように感じます。
根拠としては、枯れた硬い植物は分解は遅いですが、緑の状態で土に入れると微生物が活発なのか次の年に分解できていないことがありません。
以上の観点から細かくすき込む必要はないのかなと思っています。
その時の忙しさに合わせてやりやすい方法を選択下さい。
緑肥まきについては以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。