北海道の農業って冬は暇なんじゃないの?
ずーっと休み?
実際何してるか教えてほしいなぁ
どうも、北海道の農家です。
北海道の冬は農家っていったい何しているの?って感じますよね。
北海道の冬は長いですから、実際どんなことをしているか?仕事は本当にないのか?
そこで今回は北海道の畑作農家が冬になにをしているか?を記事にしてみました。
我が農場の具体的な作業日数も書きました。
これから雪国で農業をする方はこのリストの中でやるべき事も見えてくると思います。
参考にしてみて下さい。
それでは早速本題に入る前に結論↓
仕事は…冬でもあります!
え?
ちょっと、冬まで働くの?
だってめちゃくちゃ寒いよ?
確かに寒いです…
それでも冬でも仕事している農家さんも結構いらっしゃいます。
具体的な農閉期と呼ばれる期間は12月から2月の3か月間ですね。
では農作業としてどんな作業があるのかほりさげてお話しします。
畑の雪踏み(4日間)
この作業はわかりにくいので、まずは写真をご覧ください↓
トラクターでタイヤローラーという鎮圧機械を引っ張ります。
雪の下は畑です。この作業は野良芋対策と呼ばれ、芋をまいた畑の掘り残した芋を雪を踏むことにより凍結させます。雪を踏むことにより土の下まで凍結が入るんです。
これにより、翌シーズンの畑に掘り残した芋が生えてきません。
芋は土に潜っていたら、暖かくなると簡単に生えてきます。
これにより、何年も同じ畑に芋が生える現象を防ぐことができます。
連作障害が起きるのを防ぐためでもります。輪作をしているのに意味なくなるのはあまり畑にとってよろしくないです。
輪作については詳しくはこちらの記事を参照下さい。詳しく説明しています↓
融雪剤散布(2日間)
僕が使っているのは炭酸カルシウムをカーボンで黒く塗られた肥料を融雪させたい畑にまきます。
畑にまくのはアルカリ性の肥料資材です。これにより、畑の雪解けを早くします。
雪の上に散布後、カーボンの黒い部分が太陽にあたると、熱を持ち、雪解けをすすめます。それにより暖かくなる前にすべて溶かすことができます。
畑を早く雪解けさせることにより、春まき小麦を適期に播種できます。
また、越冬した秋まき小麦にも散布し、光合成を早くさせるために行います。
畑の作業は以上の2点のみです。
1年間の畑の作業体系についてはこちらの記事をご覧ください。作物別に月ベースでまとめてあります↓
え~?畑の作業以外にもあるの?
大変ねぇ…聞いてあげるから教えなさいよ
そんな態度ばかりしていたらいい加減嫌われますよ…
続いては倉庫内作業についてお伝えします。
機械の整備(15日間)
これがけっこうかかるんです。所持している機械、トラクターが多いので、仕方ないんですが。
消耗部品の交換、修理、点検ですね。
委託すると料金発生しますので、手が空いているなら基本は自分で作業するようにしています。
冬の倉庫内は寒いのでジェットヒーターを焚いて暖かくして作業します。
冬は防寒のつなぎを着ます。
でかいサイズなので肩こりはしないですね。
作物の選別、箱詰め(3日間)
卸売業者に出荷する場合は低温庫にしまってある作物を選別し、箱に詰めて業者に出荷します。
うちの場合、主に芋、南瓜、長いもです。
昔はたくさん行っていましたが、今は農協に出荷してほとんど終わりにしていますね。
今は贈答用の物を箱詰めしている事が多いです。
やっている人は毎日やって稼いでますね…
僕はそこまでできないです…
ビニールハウスの管理(5日間)
うちには苗を育てるビニールハウスが2棟あります。
ビニールハウスは雪の重みで潰れることがありますので、大雪の時はジェットヒーターを焚いて、ハウス内を温め、雪がハウスにたい積しないように熱で溶かします。
僕の住んでいる地域は豪雪地帯ではないので、大雪は年に3~4回ほどしか降らないですね。
1棟は小さいビニールハウスなので、越冬前にビニールをはがします。
鉄のパイプのみになるので、雪はたまらず潰れる心配はありません。
大雪が予報で降りそうな時は遠出したりはしないです。
家周りの除雪もありますし。
倉庫内やビニールハウスの作業も結構やることあるのね。
機械のメンテナンスは大事よね。
そうなんですよ。
夏場に壊れたままの機械を直したりしますが、夏と違って時間に余裕がある状態でやるので結構楽しいですよ。
何事も余裕が大切ですよね。
続いては事務作業、その他です
確定申告にむけて税理士の面談、経理作業(10日間)
今は法人なので、冬に行うのは個人の確定申告、年末調整のみですね。
個人事業主の時は冬にまとめて行っていました。
冬にまとめてやるのは大変でしたので、税理士さんに依頼してからは非常に楽になりました。
それでも在庫チェックしたり、売上の把握、棚卸資産の計算など、やることはたくさんあります。
忙しいせいにしてどんぶり勘定にしてはいけないです。
すごく大事な部分ですね。
各種役員会、部会総会、町内会(10日間)
これは農協と関わりがあると避けられない会議関係ですね。
ぶっちゃけ本当に無駄な会議が多いし、【年上の方の意見は絶対】的な暗黙のルールもありますので、若い方が意見しにくい意味のない会議だと思っています。
どんな世界にもあるような気がします。
以上の観点から可能な限り参加しないようにしています。(すべて参加すると約20日間です)
研修会、会社説明会(10日間)
研修は作物、税制、畑の勉強会が主です。
研修会は参加すると新しい技術情報、作物の試験結果、新品種の情報等が無料で手に入ります。
税制も毎年改正があったりするので、そういった勉強も大切ですね。
有益な情報もたくさんありますし、直接話を聞けるので、極力行くようにしています。
農繁期に向けたモチベーションアップにも繋がりますね。
まとめ
いかがでしたか?
僕の経営だと、ざっと計算すると90日間冬休みがあったとしたら、59日間は作業しているようですね。
ちなみに家族は夏頑張っていただいているので、ほとんど休んでいます。
冬活発なのは基本事業主だけですね。
そして飲み会もめちゃくちゃ増えます。(行きたくない飲み会は断りますが…笑)
会合の後とか、取引先と行ったり色々です。
農家さんの冬は地味に忙しいですが、やはり冬は休める日が多いので楽しみです。
夏場は旅行に行ったりはできないので、冬には必ず行きます!
今回の内容はほんの一例です。
もっと休んでいる方もほぼ休んでいない方も色々ですね。
農閉期が10月末の方もいますし、スタートが遅い農家さんも様々いらっしゃいます。
ルールがないのが怖いところです。
皆さんは無理のない経営をして下さいね!
以上参考になれば幸いです。
他にも農業の事をブログにしていますので、よろしければ参考にしてみて下さい。