畑の畝の方角って実際どの方向がベストなの?
南北畝のほうがいいって聞くけど、実際関係ないの?
こんにちは。北海道で農業を経営しております、農業歴12年のモサチキンと申します。
畑の縦畝ってどちらの方角が作物が育ちやすいとかあるのか疑問ではありませんか?
僕も農業していて東西畝ではダメなのか、かなり疑問でした。
そこで今回は実際に同じ畑で色々な方角にて作付けした経験を生かし、どのような結果か皆さんにお伝えしたいと思います。
これから畑の縦畝方角を決める参考にしてみて下さい。
それではいってみましょう
結論:方角は関係ない
僕の答えはこれにつきます。タイトルの通りこだわる必要はありません。
僕の畑では南北畝と東西畝があり、畑の数としては広い畑、狭い畑合わせて20枚あります。
その中で東西畝は7枚、南北畝は13枚あります。
そして、その中で仮説を立てました。
【実際、南北畝も東西畝も収量変わらないよね。縦畝の方向関係なくない?】と。
そして、検証としては
南北畝だったものを東西に変更して収量を比較してみる。
これで作物が変わらない収量を維持できるなら実際関係ないんじゃないの?
こう考えてみました。
そもそも東西畝にすると縦畝が長くなり作業しやすくなるメリットがありましたので、試みた次第です。
今回取り組んだ内容は畑の縦畝を長くして、南北畝を東西畝にしたことです【270m→360m】
その奥にさらに南北畝がある畑の検証でしたので、同じものを作り検証した次第です。
この畑は12.5haの広さがあり、こういった実験にはもってこいでした。
畝の方角を変えた検証結果
実際南北だった畝を東西に変更して以前の実績を元に収量を比較。
検証作物としては小麦、馬鈴薯、大豆です。
撒き付けした日、肥料の量、管理作業の日程まで全て揃えての検証です。
南北畝と東西畝を同じ畑の中に作り、収量を比較。その年の比較が1番ベストなので深掘りします。
2020年 | 小麦 | 馬鈴薯 | 大豆 |
南北畝 | 11.2俵 | 52.8俵 | 5.5俵 |
東西畝 | 11.5俵 | 51.6俵 | 5.7俵 |
結果は、見ての通り。
圃場内でしっかり分けて作物を出荷し、ほぼ変わらない結果でした。
僕は色々な土色の畑を持っていますので、正直畑を変えてしまうと比較になりません。
畑によって水はけ、過去の堆肥散布時期も違いますし、土壌分析して施肥設計も変えております。
同じ畑での比較でこれだけの近い数値になりました。
東西、南北は作物の光合成しやすく、ムラになりにくいと言いますが、実際ムラになっていたらもっと収量に差がついたはずです。
しかしそれが起きなかった。僕には十分すぎる答えでした。
畑は作りやすいように作ろう
縦畝に関しては本当にこの答えにつきます。
ポイントは収穫機の能率を第一に考えて作付けしましょう。
理由はシンプルに【収穫が1番時間がかかるから】です。
時間がかかる作業の能率を1番に取り組んだ結果畝を変えることが1番の生産性を生む結果になります。
僕はこの答えが出てから畑の畝の方角をやりやすい方角にどんどん変更しています。
皆さんも能率重視でいきましょう!
方角が変わることで起きる注意点
ここで注意点です。
過去の話になるのですが、2017年北海道に台風が3つ上陸した際に作物が流される被害に遭いました。
平らな畑は水に浸かり、出荷できる状態ではなくなりました。
傾斜の効いた畑は押水によって作物が流されました。
自然災害は年々爪痕を強くしているイメージがあります。
この経験から言えることは傾斜畑の場合、大雨の際畑の水は高いところから低いところに流れます。
流れに逆らう方向に畝を作ると培土した土ごと全て流されるイメージです。
極端な例を出しましたが、実際に起きた現象です。
可能でしたら、縦畝の選択の前に先人の教えを聞くことをお勧めします。
きっと色々な災害を経験していると思いますので、その教えを聞いてから検討してみましょう。
まとめ
いかがでしたか?
最後は極端な例を出してしまいましたが、
検証結果からわかることは、畝の方角に影響はされない。作物はちゃんと育ちます。
僕は8品目の作物を作っていますが、どんな畑に撒いても方角のせいで光合成ができず作物が取れなかったということがありませんでした。
結局収量はその年の天候によるものと考えます。
生産性の上がる方角で作りましょう。
これからの時代は担い手が少なくなることが明らかになっています。
必然的に耕作面積が増えますので、どうか皆さんも効率重視で時間を生むように一緒に頑張ってみましょう。
僕の作っている農作物で収穫作業について簡単に一覧に纏めた内容はこちらに記しています。新たな作物を作る際の参考によろしければどうぞ↓
それでは、また。