小麦播種までにする畑づくりって何をすれば有効なの?
何かアドバイス欲しいわぁ。
小麦の播種前準備ですね?
わかりました。
北海道での農業歴12年の私モサチキが小麦播種前に行ってきた畑づくりを説明したいと思います。
これから秋まき小麦を撒く前にすべきことを確認したい方は是非参考にして見てください。
使用している播種機について
今回の記事はドリル播種作業向けの小麦まきの機械はKUHN社のコンビネーションドリルというものです。
150馬力のトラクターで作業しています。
前側についているパワーハローで整地
次に付いている鎮圧ローラー(パッカーローラー)で鎮圧
最後に播種機(ドリル)で播種し1番後ろのタインで覆土します
今回はこちらの機械を使用しての播種です
それまでの作業工程7選と題して説明していきます。
堆肥を撒く
堆肥はコンセプトに撒きましょう。
僕の圃場では小麦後に撒くイメージです。
僕は小麦を2年間撒きます。
そして撒いた後にまず堆肥を散布
量は10a当たり大体2tくらい。
あまり撒きすぎると畑のバランスが崩れて良くないとのデータも取れていますので、程々にします。
僕は大変な作業は嫌なので、この部分は作業委託しています。
料金は発生しますが、丁寧な仕事をしてくださるので僕はガンガン依頼しています。
畑にサブソイラーを入れる
僕が使っているのはスガノ社のハーフソイラという作業機です。147馬力のトラクターで作業しています。
こちらの作業機で35cm爪を入れます。
爪を入れることで排水性を高めます。
畑を起こした後に入れたほうが効果が高いと言っている方もいらっしゃいますが、
僕は畑起こしした後の凸凹の上を揺れながら走りたくないので起こす前に行います。
疲れるのが嫌なので…
楽ばっかりするな!!
すいません…
しかし、楽して稼ぎたいので楽できないことはしたくありません笑
それが僕のモットー(言い訳)です。
畑起こし
畑起こしは必ず行います。150馬力のトラクターでギリギリ牽引できています。
条件によっては結構重たいです。
5連で22インチ設定で作業していますので、200馬力は必要と言われています。
しかし、僕のこだわりですが、150馬力のトラクター(1000万円)でカツカツまで馬力を使って作業するのと、
200馬力(約2,000万円)でゆったり作業するという比較をしても2000万円の仕事はできないと考えています。
それならフルに馬力を使うことでコスパ重視した方がいいと思っていつも投資しています。
話は逸れましたが、起こすことで得られるメリットが多いので僕は畑を起こすことを必ず行います。
起こす深さは28cmです。
爪を入れたのが35cmですので、その深さまでは入れないようにしていますね。
畑起こしについてのメリットについては下記記事にまとめています↓
近所の方の10年間の不耕起栽培の検証についても言及しています。参考にしてみて下さい。
ライムケーキ散布
ライムケーキを撒くことでpH改良します。
123馬力のトラクターで牽引しています。
作物によって理想のpHが違いますので、全ての畑で6.0を目指して散布を続けています。
pHって上がりにくいんですよね…
続けて何年も散布しなければ改良しませんので、僕は酸性を好む馬鈴薯を作付けする時以外撒いています。
ライムケーキ自体は非常にコストが安い資材ですのでオススメです。
石灰資材は500kgで10,000〜20,000円(苦土、銅入りの粒タイプは高い)
ライムケーキは1,600円です。
pH改善が目的ならライムケーキがオススメです。
写真では芋を掘った後にそのまま散布していますが、凸凹が苦でない場合は畑起こし後に散布しましょう。
効果が高いです。
散布量は300kg〜700kg
にしています。
土壌診断してpHが低い畑(pH4.8〜5.5)は多めに散布します。
まだまだ始めたばかりの取り組みですが、きっとpH改善できると信じています。
ライムケーキのメリットデメリットについてはこちらの記事を参考にしてみて下さい。
散布機の事も触れています↓
元肥料散布
全層肥料で施肥しています。
100馬力のトラクターで作業しています。
作上肥料の時は50kgで施肥していましたが、多少の誤差も考えて60kg施肥しています。
使う機械はVICON社のブロードキャスターです。
今までは播種機に入れて散布していたので、容量が少なく時間ばかりかかっていましたが、全層肥料にしてから時間短縮になりました。
いっぺんにたくさん撒けるのが最高です。
ブロードキャスターについてはGPSと連動してセクションコントロールできるのが最高!
使っている機械については下記記事でまとめています。
参考にしてみて下さい↓
整地パワーハローかける
畑起こしで凸凹でフカフカになった畑を整地します。
147馬力のトラクターで作業しています。
整地前にライムケーキ散布や、ブロードキャスターで走った部分に爪(ハーフソイラ)を入れて踏圧部分を砕きます。
肥料を土の中に入れるためにもパワーハローで整地します。
MASCHIOの5mを使っています。
速度は4〜6km/hくらいで整地していきます。
ケンブリッジローラーで鎮圧
HEーVAの6m30cmを使ってじっくり鎮圧です。
123馬力のトラクターで作業しています。
ここが結構ポイントです。
ゆっくり丁寧にかけることでしっかり全体に踏圧がかかり播種深度が揃います。
ドリルは良く土に刺さりますので、ここをしっかり行えば深さがバッチリ揃います。
僕は3〜4km/hでゆっくり鎮圧します。
昔慌てていて、8km/hくらい出してから播種すると深さが揃いませんでした。
しっかり鎮圧しましょう
播種作業
いよいよ播種作業です。
150馬力のトラクターに1.4tのフロントリンケージウエイトをつけています。
この重さがないと重たくてトラクターがウィリーしてしまいます。
種子は800kg入ります。
5haでも一回で撒けちゃいます。
そしてこの点も非常に重要↓
種まきは慌ててはいけません。
それで一年が決まると言っても過言ではないので、圃場ごとにテストして毎回しっかり状態を確認しましょう。
まず僕の播種機は上記で説明した通りです。
ここまでの工程をしっかり行なっていれば綺麗に生えてくるでしょう。
深さは2〜3cmでしっかり調整しましょう。
この作業を行うことで2021年度産の秋まき小麦は乾麦(12.5%)で14.7俵獲れました!(僕の地域平均は13俵)
歩留まりも高く、97%でした。(製品で14.2俵)
つまり
・天候にも恵まれたおかげもありますが、こういった努力の積み重ねが非常に大事だと思っています。
3代目でついに過去最高を更新したわね。
よくがんばったね!
ご先祖様も喜んでいるねきっと!
あざます!
まとめ
いかがでしたか?
小麦播種作業で大事なことはたくさんありますが、中でも大切なことは播種前の畑づくりだと僕は考えています。
ここをしっかり行えば播種深度もしっかり揃います。
生えてこなければ生えないまま一年過ごすことになりますので、それだけは避けなくてはいけないと思って行動しています。
北海道の冬は厳しく、しっかり種子が土に潜っていないと越冬はできません。
かといって深すぎても発芽せずに土の中で腐ってしまう現象が起きたり…
難しいですが、使っている作業機の特性をしっかり理解して発芽ムラを防ぎましょう。
生えてこなければ収量が上がる事はありませんので。
繰り返しになりますが、こうした積み重ねのおかげで2021年は過去最高の収量でした。
以上参考になれば幸いです。
種まき作業の大切さをこちらの記事に深掘りしてまとめています。
もしよろしければ参考にしてみてください↓
それでは〜